続・足裏庵日記(31)   ― うんざり ―  中野 中 (美術評論家)


 万朶と咲いた桜花が雨風に打たれて散り急いでいる。〈花に嵐〉は自然の摂理か人生の軌跡そのものか。  世間には不思議で不可解なことが多い。  

  アメリカのメジャーリーグへ行った日本人選手の動向を毎日微に入り細にわたり紹介するNHK報道の不思議。アメリカン・ドリームとはいえ所詮は出稼ぎでしか過ぎない。大活躍や記録をつくったのならともかく、オープン戦から逐一オンエアーするNHKの姿勢がわからない。不払い側に組したくもなるというものだ。  

  八百長問題で大揺れの大相撲界、初日、二日と横綱連敗で八百長はなかった証だ、と。笑わせるんじゃねえ、と肩肌ぬ ぎたくなる。それより何より日本人大関のだらしなさには目をおおうばかりだ。負け越して休場し、翌場所勝ち越して、又次の場所で負け越しを繰り返す。つまり2場所に1度勝ち越せば大関の地位 は安泰なのだ。そんな馬鹿なことがまかり通っている。制度自体もおかしいのだが…。  

  年がら年中、国際大会というスポーツのビッグイベントが開かれ、国内外を問わずTV局が放送権の争奪合戦。莫大な放映権料をとり返すためなのか(もちろん視聴率と直結する問題でもあって)軒なみバラエティ化して騒々しいこと際限がない。あの馬鹿騒ぎの品のないこと、そして無関係な話題で勝手に盛り上がっている。加えてジャニーズ系の自分の言葉を持たないタレントが引っぱりだこなのだろう。アナウンサーも

解説者もいっしょに盛り上がって、出場選手の誰もがメダルをとれそうなことを恥じらいもなく言い募り。絶叫放送の終末はメダルどころか予選通 過さえ出来ないのだ。何だか選手本人が気の毒にも見えてくる。  

  テレビ放映ついでに言えば、本当は言うも鳥肌が立つほど不愉快なのだが、あのオバカ・タレントは一体何者なのか。どういう生き者なのか。どう見ても台本に添ったキャラクターづくりとは思えない。そんな演技力などあるわけがない。地であり本音なのだ。それにしても見ているこちらが呆然とすることが連続。大口空けて笑っているこちらもこちらだが、バカを振りまくテレビ番組(一つの風潮)にも一考して欲しいものだ。オバカ・タレントにだって親兄弟がいるだろうに。それとも売れりゃそれがすべてなのか。  

  タレントの悪戯けはまだ笑って過ごすにしても、松岡農水相にはアキレるばかり出し、かばいつづける首相も救い難い。お願いだから九条だけは改憲しないでいただきたい。敗戦で得た唯一の宝が九条なのだから。  

  美術界にもいろいろあるが、パーティにおける長々としたスピーチも大迷惑だ。スピーチとスカートは短いほど良いは時代を越えた金言だ。料理を前にダラダラの長広舌、誰も聞いちゃいないし、そもそも野暮天この上なしでみっともないではないか。  都知事をはじめ知事・県議選は運動真最中。果たしてどんな結果が出るのか。目を離せない。

 

topページへ
2002〜2007 essayへ