今月の課題 「神戸全美20周年(2)」  編集主幹 松原 清

 

 10年前のイベントは、ただ全日本美術を私が引き継いで10年よく続けられたという思いのなか、「夢遥か」というタイトルでそれまで記してきた全美の〈今月の課題〉を一冊の本にまとめ発刊し、中野中氏の発案で『励ます会』として小宴を開いていただいた。何名程の先生方が参加くださるのか全く読めない状態で、内心は不安で一杯だったというのが本音であったが、100名を越える出席通 知を見てほっと胸をなで下ろしたことを覚えている。  

 今回の20周年は、この10年間に全美の新聞紙上に連載してきた「自選ギャラリー」、「書人探訪」、「今月の課題」を単行本化して、発刊記念として開催しようという意図で当初計画がスタートした。前回の冒険的な試みに比べて、200名を越える先生方に御案内状を先以て差し上げられるという些か甘い期待の読みもあった訳だが、この7年、5年に及ぶ連載記事を一冊の本に纏めることに関する甘さを今痛感している。「自選ギャラリー」でいえば、ひとつは、大幅な期間のずれによる先生自身の考え方、表現方法、環境の変化がある。それをどのように解消するかと悩んだ。それで、新たに「最近思うこと」という短文を先生方にお願いした訳だが、その返信が揃わない。文章の長さもまちまちで、新たな短文は不要という先生方も多かった。また、郵便が紛れてしまったり、外国へ長期に出かけておられ、返事をなかなかいただけず、電話、手紙などの確認作業に追われて編集が進まなかったことである。「書人

 

探訪」についても同様で記載内容確認に相当日数を要した。まだ数名の先生から返信をいただいていない。新聞で紹介した内容そのままでゴーすることとなる。なにしろこの確認作業に入ったのが昨年秋のことなのだから。そう、昨年の秋頃この20周年の企画に「展覧会」を併催しようという声があがった。せっかく単行本を出すのだから、それに併せて登場いただいた先生方に1点ずつ出品をお願いしようということで、本の編集作業と平行して進めることとなったため、先生方への案内が、展覧会出品要項(出品の可否、期日、搬入方法、サイズ等)と文章確認が重なり、より複雑になってしまったことも混乱の原因を作ってしまったと反省しきりである。当初はチャリティー展も併催してはという意見もあったが、尚更煩雑さが加わっていくということで見送ったことは正解であった。間もなくその展覧会のポスター(B2版)のデザインが完成するが、デザイナーの意向で出品者全員の名前を入れ込んだものになる。現在180名ほどの先生方から出品了承を頂いており、ひと安心している所であるが、更に出品者が増すよう最後の努力中である。この展覧会には兵庫県、県文化協会、神戸市、市教育委員会、神戸新聞社のご後援もいただいた。先月号にも記させていただいたが、出品料をとらない純然たる企画展として将来企業も協賛してもらえる「夢賞」へ、それが神戸全美の大きな目標であり、より多くの先生方に御賛同いただければ幸いである。


topページへ
今月の課題