夢遥  ゆめはるか

(全日本美術『今月の課題』1996〜2005年を単行本に)
全日本美術編集主幹 松原清 著  A5版 272頁 定価2000円
今月の課題 「台湾故宮リニューアルオープン(1) 」   編集主幹 松原 清
 台湾の故宮博物院には、3年前家族で台北、高雄に旅行したおりに一度展覧したが、ちょうど故宮の改装が始まった時で、展示エリアが半分ほどになっていたことと、観光コースの中の1ヶ所であり多くの時間をとることも出来ず是非とももう一度訪れたいと思っていた。何と言っても中国美術・工芸・文物に関して70万点に及ぶ収蔵品をもつ台湾故宮は大英博物館、ルーブル美術館、メトロポリタン美術館、エルミタージュ美術館に匹敵するものといえる。  3年に及ぶ改装、拡張工事が昨年末に完了し、06年12月25日〜07年3月25日まで特別 展が開催されるという情報を得て、美術評論家協会の研修旅行で行こうと決まったのが06年11月初旬であった。9年前に韓国ソウルに李朝陶器など韓国美術を巡る初めての国外旅行を決行して以来のことで、3年程前から故宮博物院に行こうという声はあがっていたが、改修工事中ということで延び延びになっていたところ、リニューアルオープンに特別 展が開催されると聞き、全員の賛成を得ての台湾行が実現したのである。仕事の関連でどうしても参加できない2名を除き、総勢11名。2月20日〜22日の2泊3日、成田組と関空組で中正国際空港へ。
 もちろん私は関空組である。現地ホテルで合流する運びである。Yさんとの2人でのフライト。10時発ということで、朝5時起きでの8時関空集合は結構辛いものがあった。折しも20日は台湾のお正月、春節にあたるためさぞ飛行機は混んでいるのだろうと覚悟していたのだが 、
予想に反してガラガラ状態。ジャンボの2階席(もちろんエコノミーだが)は我々2人だけ。そこにスチュワーデス2人。これじゃぁ完全に赤字フライトだよなぁと思わず言葉が出てしまう。2月はエアー運賃が一年で一番安くなる時期だが、こと台湾に関してはそんなにディスカウントされていない。春節帰郷を見込んでいるのか、それとも新装故宮の観光客を見込んでいるのか兎に角経営戦略がなっていない。安くとも満席にするほうが良いに決まっている。また、最近はじめた燃料サーチャージ料金も気に入らない。石油の高騰によるツケを乗客にまわし、石油が安くなっても止めようとしないばかりか、各飛行機会社によって同じ行き先でも料金が異なり(石油産油国のそれはJAL系の半額)、これでは不具合を度々出したJALは余計に敬遠されるよなぁって思ってしまう。  中正国際空港から台北までは40キロ弱。3年前の景色を思いだしながら送迎車でひた走る。運転が荒いのも同じ。高速道路もデコボコで快適な移動とはいえない。また春節の為かバイクの数が少ない。3人乗り以上が最近禁止となったと聞いたが流石に5人乗りは見かけなかった。無事ホテルに到着したが、東京組は2時間後の予定。その時間を利用して台北駅へ。高雄間を1時間で結ぶ新幹線が見えるかなと行ってはみたが、時刻表と資料だけをもらって春節につき入場料無料と書かれた国立博物館に立ち寄った。(続く)

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今月の課題