夢遥  ゆめはるか

(全日本美術『今月の課題』1996〜2005年を単行本に)
全日本美術編集主幹 松原清 著  A5版 272頁 定価2000円
今月の課題 「 11月雑記 」  編集主幹 松原 清

 早いもので、今年も残すところ2ヶ月を切ってしまった。7月のトルコ強行旅を3回に分けて記載させていただいている間に、世間は大きく動いていた。プロ野球では、セリーグが巨人、中日、阪神の三つ巴のデットヒートを繰り返して巨人がペナント優勝を飾るが、同3チームのクライマックスシリーズで中日が圧勝し、日本シリーズに進出。パリーグで同じくクライマックスシリーズを勝ち抜いた日本ハムと因縁の対決となり、結果 は衆知のとおり中日が日本一の栄に輝いた。このクライマックスシリーズという新制度はいかがなものであろう。  

  大リーグのように球団数の多い場合は、最終の盛り上がりという点である意味(相対的強さ)理解できなくないが、セ・パ各6球団しかない日本で有効な制度かと考えると疑問が残る。確かに優勝から見放された下位 チームは消化ゲームとなり、試合の醍醐味がなくなるかもしれないが、選手が個人記録のみに走ろうがそれはそれでいいではないか。首位 いじめ、2位いじめの下位球団の存在になり、次年につながる戦い方をする方が余程清々しい。一年間ペナント優勝を目指しガンバッテきたチーム同志が日本一を争うというのがやはり筋と思う。以前パリーグで採用した前期、後期制はまだその趣旨から外れていないが、これも観客動員増(収益)を見据えた姑息な手段に変わりなく、ペナントの全日程を戦い抜くチーム力を如何につくり上げていくか真剣にとり組んでいくことこそ一番大切なことであると考える。

 一方、大リーグでは鳴り物入りで入団した松坂大輔はギリギリの所でプライドがつながった感がある。逆に巨人で失格の落胤を押された岡島秀樹の活躍が印象に残った。正に奇跡のリリーフで100万ドル男松坂を食った感があった。  
  そして、またまたスポーツの話題で恐縮だが、亀田一家の問題である。これ程憤りを感じた世界タイトルマッチはなかった。内藤大介と亀田大毅の試合は、スポーツとはほど遠いレベルで、チャンピオンをごきぶり呼ばわりすることにあき足らず「負けたら切腹する」までの雑言をあびせ、結果 前代未聞の反則行為を観衆に晒して惨敗。セコンドについていた父・史郎の執拗な反則指示、疑惑の判定で世界タイトルを得た兄・興毅の「肘で目を狙え」のアドバイスがテレビ音声に入っていた確信犯的体質にボクシングファンだけでなく良識ある日本人全員を敵に回してしまった。ヤクザまがいの言葉とド派手なパフォーマンス、悪役(ヒール)を演出することで世間の注目を集めてきた亀田一家だが、この演出の裏に見えてくるのはテレビ局の視聴率のみを一義とする陰謀である。スポーツマンシップを失くしたボクシングは只のケンカに成り下る。日本人の品位 のなさを少なからず世界に発信したという苦い思いだけが今もしこりのように残っている。  

  政界も、安倍内閣が瓦解、したたかな福田康夫首相と民主小沢一郎代表の水面 下の動きが注目を集めている。どこに向うか日本丸!。


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今月の課題