夢遥  ゆめはるか

(全日本美術『今月の課題』1996〜2005年を単行本に)
全日本美術編集主幹 松原清 著  A5版 272頁 定価2000円

今月の課題 「今大きな分岐点に」  編集主幹 松原 清

 新年あけましておめでとうございます。皆さまにとりまして2013年が素晴らしき年となりますようお祈り申し上げます。
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 さて、最後の最後で衆議院解散・選挙となり、まさに激動の2012年となった。

 結果は周知の通り自民党が単独過半数(241議席)を大幅に上回る294議席を得て圧勝。無策無為の垂れ流しの民主政権にNoを突きつけられた形の大きな揺り戻しで、3年3か月ぶりの政権復帰を獲得し、公明党は31議席を獲得。自民との連立で、参院で否決された法案を再可決できる3分の2(320議席)以上を確保した。自民党の安倍晋三総裁は末の特別国会で第96代首相に選出される見通しとなった。 

 思えば、民主党が政権をとって、事業仕分けで派手なパフォーマンスから始まった感があったが、全くの茶番で、先ず鳩山首相が普天間基地移設問題で辞任、続く菅首相は、尖閣諸島中国漁船衝突事件、東日本大震災と福島第一原発事故に対する初動対応のまずさ、震災復興への対策の不備、遅れなどで退陣に追い込まれた。続く野田政権も、いきなり細目なき消費税法案を通すなど不備な政策に終始。「近いうちに」発言での延命の末に解散。そして総選挙。現職閣僚の藤村官房長官、田中真紀子文部科学相、下地防災担当相の3名が落選し、民主は一挙に57名にまで減少して壊滅的敗北を喫した。

 

 一見、大勝した自民党だが、まだ第3極・維新の会の内情が見えていないため、安全策として自民に年流れたことを自覚しなければならないし、3年3ヶ月前なぜ国民が自民党にNoと言ったのか十二分に反省して欲しいと思う。もともと安全神話を振りまきながら原発推進を図ったのは自民党政権である。健康保険、年金問題、消費税の細目規定、沖縄問題、原発と新エネルギー問題、TPP問題、再任なったオバマ政権との日米安保、中国、韓国、北朝鮮など外交手腕の問題もまた然り。そして、何より優先的に手をつけてもらいたいのは東日本大震災と原発事故問題である。どんでん返しの政権交代が2度実際におこった。政治屋を卒業して本当の政治家に立ち戻って欲しいものである。

 すこし、政治から離れたいが…この1年何が印象に残っているか、と聞かれて美術関係で言えば東京都美術館のリニューアルオープンであろう。代替えの会場探しと展示で苦労してきた団体もほっと一息ついた。政治が悪いと経済が悪化し、ひいては文化がないがしろにされる。国の文化政策の充実と県・市の文化政策に、これからは我々自身、もっと関心を持たなければならない。そう思う。(やはり政治がからんでくる…)

 嬉しい話題としては、ロンドン五輪で金7、銀14、銅17の史上最多38個のメダルを獲得した。サッカーも強くなった。そして、平成24年度文化勲章に松尾敏男、高階秀爾の両氏、文化功労者に中路融人氏が決まった。芸術院新会員も11月30日に決定、本紙に紹介したところである。人の資質で世界は変わる。良き美術界となりますよう。


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