神戸2008
国際芸術交流展より

野 澄 子

 兵庫県立美術館原田の森ギャラリーで開催された08国際芸術交流展において、高野澄子さんの作品「熊野」が文部科学大臣賞を受賞した。昨年は青系の糸でグラディカルな幾何学文様に紡がれた「風の群青」がイーグルドニース美術協会賞を受賞しており、連続の高位の受賞は高野さんのニードルアートとしての質と格調の高さを証明するものといえよう。
 今回の「熊野」は、連山風景を横長サイズに構成した作品だが、緑系と青系の繋ぎに用いられた白糸系が絶妙な空間の広がりを演出している。空の動き、太陽の輝き、象徴的な樹木の配置など、どこかゴッホ的な色配センスが窺えるが、微妙な色糸をひと刺しひと刺し重ねていく緻密で丁寧な仕事があってはじめて成しえることが出来る。こうした絵画的センスは、欧風手芸の世界に創作構成を取り込もうと、日本画家、洋画家にも学び研鑽した中から生まれてきたもので、その独自性が評価をうけ、平成7年文化庁地域文化功労文部大臣賞を受賞している。
 円熟の作品であった。(松)

 

  文部科学大臣賞        
  「熊 野」

熊 野(ニードルアート) (文部科学大臣賞