米寿と文化勲章受章を記念して
十代 大樋長左衛門 展


●4月15日〜21日
● 日本橋三越本店 本館6階 美術特選画廊


 米寿を記念しての十代大樋長左衛門展。 
 1927年、大樋窯九代長左衛門の長男として生れ、東京美術学校工芸科(現東京藝大)で現代工芸を学び、その後古典伝統の技術を習得する一方で、現代空間にマッチする陶芸の在り方を摸索してボストンに留学し、アメリカの最先端アートに触れたと言う。日展では正に伝統と現代性をマッチングさせた作域を構築、40歳で日展審査員、55歳で日展文部大臣賞、58歳で日本藝術院賞を受賞。十代を襲名したのは60歳の時である。その折、大樋焼の伝統を守り発展させるべく新たな命題「伝統と現代の融合」に視点を向けている。しかし、格式と侘・寂好みの茶道界のお茶?に現代感覚の敷居は極めて高かったに相違有るまい。純伝統作はきっちりと踏襲してきている。が、一方で現代の粋を盛り込んだ茶?作品を徐々に浸透させていっている。
 「変わるべきものと変わらざるべきもの」の二極に、したたかにその融合を意図した作品群は圧巻であった。注目の伝統と現代の作品2点を挙げた。 (松)

 

 

樋黒茶碗 朱釉 坐忘斎御家元御書付 銘「壷中天」 径12.0× 高8.2B

大樋青釉金彩鳥紋花入 径16.0× 高29.0B