ななこのArt
interview 〜作家の小宇宙を訪ねる〜 (5)
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高 木 聖 鶴
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『生涯の学習にしようと思って書を選んだ。
だからここまで勉強したから終わりということではない。』 |
岡山県には7つの伝説が今も残り、その中でも総社市は吉備路の中心として古代ロマンの宝庫とされている。今回はその総社市に生まれ育った高木聖鶴先生を訪ねた。
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また、高木先生は先ず誰かに聞くよりも自分自身で行動してみるという。このことから、たくさんの書物を読んで勉強してきたことがうかがえる。「戦後書道全集を読み、概念が出来ました。わからないことも山程あったけど、いろんなものを見たり、聞いたりして自分で理解していきました。また、昭和35年くらいの時に小松茂美先生の本に載っていた醍醐天皇宸筆とされている写
真版(白氏文集と三蹟の研究)を見て衝撃を受けた。がばがばっとした音がするような文字が2文字ほどあったんです。このがばがばっという音は幼い頃なまずをとろうと石垣の穴に手を突っ込んだ時、逃げようと必死になったなまずが出した音です。「生」を感じる音なんですよね。この音と共通
する音が醍醐天皇の筆跡からも聞こえたのです。天皇でなければ書けない、コセコセしていない字なんです。以来大字はこれを軸にしていこうと心に決めた。」という。今の時代は知りたいもの、見たいものは自ら探さなくとも情報側から発信されるが、高木先生のように情熱をもって自ら何かを掴んでいくこの開拓精神こそが、誰にも真似できない自分自身の財産になるのだと、この言葉から感じることができた。
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