第61回新興展
■5月24日〜29日
■ 京都市美術館

京都府知事賞

岡田 忠男

「氷 柱」

 昨年60年の大きな節目の記念展を成功裡に終えた新興展の61回展。京都での本展2回の開催も無事終わり、来年から都美術館へと戻る。危惧された出品作品の減も感じられず、会員作品の充実が窺われた。
 今展より、役員作品他、注目作を紹介させて頂く。
ライフワークとなった神楽シリーズは、平田春潮理事長。今回は石見神楽の鍾馗が疫神を退治する場面を空間を活かした構図で描いた。岡田忠男事務局長は、秩父奥の瀧の2月厳冬の氷柱を取材、臨場感ある作品に仕上げた。壮大な夕空を形式化した手法で物語にまで押し上げる小林恒岳「赫」、菊池柾寿は空気も凍る津々として静寂が支配する雪の宵の京を描出した。現実と虚無を混生して不可思議感に観者を引き込む安食孫四郎、飛澤龍神の古梅と月の図も求心力ある。少し硬さあるも鮮やかな緑が映えて瑞々しい石岡かつ子、石崎岑子も曼珠沙華の赤と背景のコントラストが新鮮。伝統構図ながら真摯な描写で松に番い鷹を描いて品格出た安達好文、密度をあげた新田志津男の研鑽ぶり、会員推挙となった藤岡麗子の朦朧とした雰囲気、同じく新富祥子の飄とした鴨の会話も面白い。都美術館での次回展が楽しみだ。 (松)