第40回日展 日本画

 

中路 融人

「峠富士」

 

 

  霧の立ちこめる峠からふと振り仰ぐと、富士が見えた。黒い枯木立ちの向こうに望まれる富士は、まるで幻覚の如く忽然と現れたその姿は、意表外なだけに美しく思われたのだ。モノトーンの中にその震えがある。