葦の詩
小松 欽 
―何処から来て何処へ行く―


■10月25日〜11月6日
■立川市・たましんギャラリー
      (多摩信用金庫本店9F)

 葦の詩」をテーマに描き続ける小松欽の個展。大作を中心に52点の展観。中でも「何処から来て何処へ行く」大作3点は、今展のメイン作になっている。
小松は言う。「行く先の見えない己、地球の軌道を外れ何処かに向かっている人々の中に或は自分を見付けるかも知れない」と。掲載作に見るように、人間の集団が画面右から画面左へと流れてゆく。これはおそらく時間軸だろう。つまり画面右の紙外は過去、画面に描かれた人間像は現在、左紙外は未来へと。葦ペンで描き出される瞬発的な線が複雑に絡み合い、連続して塊を作り、しかもうごめきあっている。人間たちは何処へ行こうとしているのか。小松の絵画理念の根底にある「混沌の中の秩序」は徐々に壮大な生命観へと移りつつあることがよくわかる。もう一つ注目しなければならないのは墨の多用だ。画面上下の円の形象は墨だけによる。つまり葦ペンで描いた事象と描かない墨のみの形象の対比にも新たな心境と理が加わっている。日本表現派同人 国際芸術家協会会長 (篠原)

 

 

   

何処から来て何処へ行く F60(2012年)