第34回 長岡美和子 個展


● 10月25日〜31日

● 船橋・滝不動スタジオM展

 1984年以来ほぼ毎年個展を開催。近年は海外個展にも力を入れる長岡美和子さん。書壇とは一線を画し、自由な身で独自の書風を貫き通してきたからこその実績であろう。
 今回の出品は墨象19点、仮名3点、日本画3点、国内外のスケッチ260点だが、やはりメインは墨象作品。長岡さんの墨象は書壇概念で定義づけられたそれとは明らかに違う。確実に字を書いているのである。一字中のそれぞれの字画に宿った墨の象(かたち)の結合体と敢えて言おうか。字の中に潜ませる心の象とも言えようか。だから作る側にも、見る側にも字が必要なのである。長岡美和子の墨象は長岡美和子だけが定義づけられる固有のものとして確立してきたと言える。さてその素材だが、ここしばらくは文学作品の読書から得ていると言う。今回は立原道造の文学に拘った。「獣(けもの)」は「風の歌った歌」から、「窄(せまい)」は「愛する神の歌」からイメージしたもの。前者は偏旁の間が心地よい。後者は強い線の変化に求心性が高まった作。(篠原)

 

 

 

 

 

 

 

獣(けもの)

窄(せまい)