第35回 長岡美和子 個展

● 10月23日〜29日
● 滝不動/スタジオM

 長岡美和子さんの執念を見たような35回展。これまでも長岡さんの個展取材を続けてきたが、これほどまでにすっきりした字の形象の数々は久し振りだ。自身も今回作については、ある時ふっとふっ切れた象を生んだと言う。それも9年前から取り組む文学と書の連関探索の成果といえるのではないだろうか。書の出品は24 点だが、その内15点は「小林秀雄訳ランボオ詩集」から材を得ている。初めは小林秀雄の訳詩に感嘆し、おいそれとそこから書を創ることなどできなかったと言う。しかし長岡さんの挑戦心は緩むことがなかった。創元社刊初版本の行に心を静めてゆく日々。すると何処からともなくある一字が訴えかけてきたと言う。例え「その字」が書としての造形の難儀を予想できたとしても「その字」を材とした。そこにも長岡美和子の作家魂を見る。掲載の2点は墨色、線質、造形の合致に優れた長岡美和子の墨象そのものである。(篠原)

 

 

 

 

 

 

 

墨象「界(かい)」半紙作品

墨象「眩(げん)」半紙作品