第26回長岡美和子個展

長岡 美和子

■平成21年11月8日〜14日

■滝不動スタジオM

 個展活動で独自の表現を追求し続ける長岡美和子さんの26回展。阪神淡路大震災で自宅アトリエが倒壊し、千葉の現在地に移住。自宅二階をギャラリーにして、旺盛な活動を展開してきた。  長岡さんの表現は、破筆を利用した線性の構築にあるように思われるが、各作をよくよく見ると、その線の肌が清浄なのがよくわかる。良質の松煙墨、油煙墨だろうことを想像しているとき、長岡さんが何気なく、常用の筆を見せてくれた。超長鋒羊毫である。磨墨液が仕込まれたそれは、鋒がねじれ、軸は微かに腕曲している。かなり使い込まれた筆の姿を見ると、なるほど線の清浄感は墨の力を多量の書き込みによって最大限に引き出した証なのだと確信した。そしてこの多量の書き込みこそが、作家長岡美和子を形成しているのだと。また、書の制作と並行して居合術を修得、その経験も大きく活きている。  掲載の「繰」は、リズミカルな筆致に加えて、多種の線で点画を組み立て、空間分割にも成功した優作。「中」は線の力を下方に垂らすような造形。左下の余白も奏効する。