第28回読売書法展

常任理事

土橋  靖子

「ふる寺のくり暮れちかく…」

 

 「こもりくの…」と伊藤左千夫の歌二首をつないで情感漂う世界を構築した。極薄の渇筆と大胆な潤墨部の強烈な対比を用いながら柔らかい流れを堅持し、終部「しげり深み」の切れの良さが全体を引き締める。変体仮名を抑えた現代かなの用法が冴える。