和を紡ぐ 土橋 靖子 書展


● 7月20日(水)〜26日(火)
● 日本橋高島屋6F美術画廊展

 

 日展会員、水穂会副会長の土橋靖子さんが3回目の個展を開催する。20代後半で連立個展を開催したと聞くが、残念ながら筆者は展覧する機会をもてなかった。土橋さんの作品を個展として拝見したのは、20年前のかねまつホールでの初個展の時。日展初特選を受賞して4年後の、不惑の歳を前にしての新たな決心のもとでの開催であった。この時の作品「元旦や松しづかなる東山」はひとつのエポックとして記憶に残っている。
 そして2回展は、6年前の東京銀座画廊・美術館。2回目の日展特選を受賞し、現代書道二十人展のメンバーに大抜擢され、その後芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。時を経ずして日展審査員に就任、日展会員賞受賞と、筆力充実と評価が一致して期待どおりの活躍が認識され、定着した時の開催であった。芸術選奨受賞の大字「梅の花」、日展会員賞の「良寛春秋」から細字作品まで清澄と気品が会場に感じられた。
 さて、今回の3回展である。「和を紡ぐ」との副題に土橋さんの書作の心が集約されている。60余点を越える作品は書譜の五合に通じ、いずれも歌、詩文が吟味され、その意を心に沈み込ませて筆が持たれており、書線の機微も気運の高まりに微細な変容を遂げて技量の奥の世界をめざしていることが判る。風合いの異なる作品8点を挙げた。中でも「臨国申文帖」は佐理の文字を借りながら自風の世界を創っている。また母であり、歌人の土橋いそ子さんの歌も書かれている。実作との対峙が楽しみだ。(松)

伽 羅

山へ空へ(種田山頭火)

 

 

 

 

初 萩(万葉集)

手毬つき(良寛)

美し桜(伊藤左千夫)

惜 花(蕪村)

臨国申文帖(藤原佐理)

三舟の才(大鏡)