日本藝術院賞受賞記念
第20回市川の文化人展
− 回帰・感謝・誠の花へ−
土橋靖子書展

● 3月2日〜24日
●市川市芳澤ガーデンギャラリー

 日展監事・日本書芸院副理事長・水穂会理事長の土橋靖子さんが、千葉県市川市の主催で日本藝術院賞記念・第20回市川市の文化人展として書展を開催した。JR市川駅に近い瀟酒な芳澤ガーデンギャラリーに受賞作「かつしかの里」、新作5点に近作、旧作28点が並んだ。その中には歌人であり母である土橋いそ子さんが詠んだ歌を作品とした7点があり、そうした環境下で育った靖子さんの、今ある感性の深さが窺い知れる。
 新作の万葉集 巻九一八〇七、八番−とりがなく−の大作は、正にパノラマ的に広がった1300年前のかつしかの広大な風景を眺めているような清爽感がある。また反歌の「水くましけむ てこな…」は、会場風景(新作)の朱紙の作品、秋櫻子「連翹」の「手古奈がくみしこの井筒」に繋がり面白い。再度、受賞作に戻ろう。この歌は伊藤左千夫が明治33年に詠んだ歌であり、子規に師事して歌風が古今調から万葉調・写実へと変化した時期。書作品も実にそうした風景を演出している。(松)

 

会場にて

 

 

かつしかの里(伊藤左千夫) 85×180cm

牟良佐伎(土橋いそ子) 31×18cm

会場風景(新作)

日本藝術院賞受賞作品/日本藝術院所蔵
虫麻呂が詠みし市川の歌−とりがなく−
万葉集(巻九 一八〇七・一八〇八番) 
35×274cm