第41回臨池会書展より

会長

杉岡 華邨

「弓張の月」

 

 第41回臨池会書展より、文化勲章、日本芸術院会員で臨池会を主宰する杉岡華邨氏の出品作「弓張の月」を紹介させていただいた。
 杉岡氏はこれまで書展の展示方法にひとつの信念をもって展覧会を開催してきた。最初は大阪美術倶楽部の畳の部屋で床の間があり、書の観賞の場を大切にするというコンセプトが窺われたが、マイドームおおさかに移り暫くして仮設の床の間が設置されるようになった。書のある空間の大切さを実践して示す、これはある意味書道界における文化勲章、芸術院会員としての書芸振興の責務と思われているのかもしれない。
 その後国際展示場に会場を移したが、書空間のある豊かさを感受できる仮設の床の間の展示が上掲の如く継統されている。
 良寛の歌意を含んだ木の間に見立てた二つの生け花、ゆったりとした流れの書線が浮かびくる。   (松)

      

展示風景

おしなべて緑にかすむ木の間より
ほのかに出づる弓張の月(良寛)