全日本美術新聞社神戸20周年記念企画展―ー
「明日への夢展」より

文 化 勲 章    日本芸術院会員

杉 岡 華 邨

 6月22日、神戸全美の満20周年を記念する展覧会を開催することができた。
 これまで何回もその進捗状況を記させていただいてきたが、先生方の制作に関わる理念とか目標を毎月2名ずつ御自分の文章で綴っていただき、7年と10ヶ月にわたり「全日本美術」に思い出の作品と顔写真と共に御紹介し、連載してきた「明日への夢『自選ギャラリー』」163名と、田宮文平氏推薦で、これからの次代を継いでいくであろう昭和二桁世代に限った書家にスポットを当てた「書人探訪」が予定の5年60名を完結、予てよりそれらふたつのシリーズは単行本にするということでスタートしたため、本制作を進める一方で御登場頂いた先生方による展覧会を企画した次第であった。それが昨年11月末のことで、全美企画の展覧会は、これまで一番大規模なものといえば、大阪、東京で巡回した壁面40mの「大作とエスキース展」くらいで、美術館の大壁面を使う展示は初めての試みであったため、大いに手間取った。
 結果、「自選ギャラリー」から130名が、「書人探訪」から51名が出品して頂けることとなり、原田の森ギャラリー(旧兵庫県立近代美術館)の大展示室を130名の『美を継ぐ者たち』、西館1・2階を51名の「昭和二桁世代の『現代書家』の素顔」として開催、ふたつの展覧会の統合名称を「明日への夢展」とさせて頂いた。
 公募展に於ても各ジャンルを持つ総合展があるも、通常ジャンル別の展示がなされている。今回「美を継ぐ者たち」については、はからずも異なるジャンルの混在展示に挑戦した展覧会となった。いささか手前味噌になるが、作品スペースを充分(1.5m程)にとれば互いの作品が響きあうということがわかり、新鮮な感動を得ることができた。もちろん相応に個々の作品のレベルがあっての話であることは言うまでもない。
 巻頭作品に出品いただいた杉岡華邨氏の深い空間感がある「よるの町」を紹介させていただいた。この作品の両隣には、日本画の岩澤重夫氏の「瀧花相親」と中路融人氏の「光昏(こうこん」を展示させて頂いた。次号には、「明日への夢展」の特集を予定している。(松)

   「よるの町」