第66書道芸術院展


●2月16 日〜21日
● 東京都美術館

坂本 素雪

「下北半島」

 

 三年ぶりの都美展観。展示スペースも従来より増えて七棟を使用。今回から学生展も併催することになった。幹部作家から10 人が縦12尺横8尺以内の大作に挑んでいるのも今展の特徴だ。同展は審査プロセスが公開され、賞候補作にもしっかりと陽が当たる展示方法がとられている。また外部の「眼」として、毎回評論家や作家を招き、別角度からの作品の見方を展観者に提供もしている。こうした開かれた公募展のスタイルは稀で、同院が歩んできた長い道のりの中から生まれた賢明かつ先進的な取り組みの一環と言えよう。
 大作10点を中心に14点を紹介する。恩地会長はこだわる素材「捨」。紙外空間を取り込むスケールとゆるやかでかつ機敏な運筆を備える。辻元理事長の素材も追い求める片山由美子の句。10×8尺の大空間に作家独自の開鋒の線条が繰り広げられる。大野、小竹、下谷の常務理事三名も堂々の大作を発表。特に下谷の仮名は流動線が深く鉄紺色の紙に喰い込み、観者の眼を吸い寄せる力がある。篆刻の後藤も4.5×2.5尺の額装作。印影も一辺が15Bを越えている。白文の均斉が絶妙だ。強烈な赤の胎動に銀の射線が絡む千葉蒼玄の前衛は更に存在感を高める。種谷萬城の明度にも注目。(篠原)