書壇院ギャラリー第95回展〈企画展示〉


貫名 菘翁 展
―本邦初 松居遊見叟碑稿四種ついに邂逅―


●11月2日〜2月1日● 書壇院ギャラリー
ギャラリートーク:1月11日(日) 午前11時〜
         奎星会常任理事赤池艸硲先生

 

 菘翁ファンにとっては必見の展覧会が書壇院ギャラリーで開催されている。幕末の三筆の一人として名を馳せた貫名菘翁最晩年の書「松居遊見叟碑」碑稿四種が出揃っているのである。書壇院理事長柳澤朱篁氏の尽力で実現したもので、画期的な展観になっている。
 四種は阪正臣旧蔵本(現赤池本)、田代秋鶴旧蔵本(現田代家本)、松居家本(現K氏本)、日下部鳴鶴旧蔵本(現書壇院本)の各册。これらが一堂になった経緯については小紙11月号3面に『「松居遊見叟碑稿」集結の顛末』として柳澤氏が詳述している。
 碑稿四種が書かれたのはいずれも1860年(万延元年)。菘翁83歳の筆になる。その中でも最も早く書かれたとされるのが阪正臣旧蔵本だ。線が紙に喰い込んでいるのがよくわかる。また線中の墨の濃淡がはっきりしているのも特徴。田代秋鶴旧蔵本は朱の界格が施され、秋鶴が字を補っている部分が見られる。墨の淡さも見どころだ。松居家本は四種の内、一番墨が濃いと思われる。日下部鳴鶴旧蔵本にも朱の界格がある。墨の伸びが極めて滑らかだ。合装されている細字草稿にも注目したい。他にも帖、幅の名作が並ぶ。全32点。(篠原)

 

松居家本

日下部鳴鶴旧蔵本

 

貫名菘翁展会場

楷書「松居遊見叟碑」碑稿冊
阪 正臣旧蔵本

田代秋鶴旧蔵本