第2回「和して同ぜず・北東アジア書画展」より
島影美風
―俯仰の仮名表現―

● 9月5日〜11日  ● 北京民族文化宮

 

 米寿を迎えた島影美風さんは、ますます意気軒昂だ。今年4月には都美術館で開催された全日中展(東京国際美術大展)同時開催企画として「第26回米壽記念島影美風個展」を併催。大作、小品を交えた23点の美風書法を披露した。その作風は島影さんが常に標榜する俯仰法によるもので、多様な線の変化を各作から読み取れたものだ。とにかく俯仰法に拘る姿勢。書は線の芸術であることを信念に島影さんの作書活動は続く。
 このほど中国北京で開催された「中・日・韓・朝・蒙五カ国書画交流」を主旨にした「北東アジア書画展」に島影さんの仮名作品が出品され、「国際交流文化賞」が授与された。同展は中国国際放送局などが主催し、昨年の第1回展を中華世紀壇芸術展示庁にて開催。大きな反響を呼んだことで知られている。島影さんの今回の出品は日本独自の仮名文化発信の思いを込め、更にはそこに展開する美風俯仰法のありようを問うためでもあった。
 作品は風帯の付いた軸装の仕上がり。後拾遺集秋下、法印清成の歌を金鶏筆で書したもの。筆鋒の回転、捻りを第一とする美風俯仰法が要所で露になる。紅字糸偏や山字中央部の複雑な線性は典型だ。盤(変体仮名)字においても線中の変化は華々しい。末節の四音にも静かな俯仰の流れ。歌意の風景が見えてくる。(篠原)

 

 

 

 

 

 

紅葉ちる秋の山ベは白樫の
下ばかりこそ道は見えけり(清成)