第25回全日中展よりピックアップ


島影美風


●11月1日〜6日
● 埼玉県立近代美術館り

 秋の日中書画交流展ともいえる第25回全日中展・日中書画芸術大展(展評は22面)に出品された島影美風作自詠「美る人も…」「嵐」を紹介する。
 「朝日新聞社国際賞」を受賞した自詠のかな作品は、上野東照宮牡丹祭での感慨を詠んだもの。金鶏筆を用い、島影さんの俯仰のリズムが線の変化をもたらすさま。左上方に落筆し、行の動きを「寒牡丹」に収めた構成も功を奏し、余白の流動感にもつながっている。「嵐」の強烈な線条変化は圧巻だ。古稀展に出品した作らしいが、こういう書は時を経ても鮮度が落ちず、むしろ混沌の現代書に一石を投じるかのような作家の気概に満ちた作だ。松煙縮墨の淡墨線は立体感がある。加えて潤渇線が交差する軌跡。鋒の捻りが鋒の面を変え、八面出鋒の原理が終筆まで貫かれている。しかもこの速度の中。これが島影さんの言う俯仰の書の典型だ。印は何と彫刻家が刻したものと言う。(篠原)

〈全紙軸〉

 

 

 

美る人も静かによりぬ寒牡丹(自詠)(半切軸)