長谷川耕史


●10月16日〜22日
● 銀座ギャラリームサシ

 日本書鏡院長谷川耕史の初個展。祖父は書鏡院創設者長谷川耕南、父は現会長長谷川耕生という名門の血筋ながら、決して驕ることなくむしろその穏やかで細やかな人間性は大勢の認めるところである。一方、書家長谷川耕史の芯の強さはやはり書風に表れる。現代にも生きる楷法を残した耕南。篆書の耕生。そして耕史は両者を尊びながらも自身の書風確立に邁進する。それが今日の行書だ。今展にも一字から多字のそれが出品されたが、中でも掲載の「亀龍壽」の存在は大きかった。楷書のような構築性があるが線の流動は行意に満ち、ゆっくり大きな腕法で旋回した筆はしっかりと墨の軌跡を留めている。終始均一なにじみを発しているのも見逃せない。父譲りの篆書の骨格線を見せる「守破離」も挙げた。
 耕南、耕生の賛助出品2点を含む28点の出品。連日来場者が絶えず、画廊個展では特出の1300人を記録した。前途は洋々である。(篠原)

 


亀龍壽

守破離