ー彷徨訪問音塵不接ー
遠藤  彊 篆刻展


●4月24日〜29日
●セントラルミュージアム銀座

 

 個展案内に「篆刻作品の展観がいまや机上から壁面にも求められています/小さな篆刻作品が大きな会場でどのように主張するのかを含め制作の一つの可能性を刻印の巧思に跋文の表現に印箋の工夫にと挑戦してみました」とある。確かにあの広い会場での篆刻個展、一体どのような展覧になるのか、いろいろの想像を抱いて会場入りした。まず目を向けたのが入口正面に掲げられた淡墨一字書と濃墨細線による篆書四字。特に後者はかなりの創意を帯び、線条変化が著しい。それもそのはず、遠藤彊は大東文化大学在学中に徳野大空にも師事していたのである。なるほどここで培われた書の素地があるからこそ、今展の大会場を支配できる作品群を生みだすことができたのであろう。そして本人が言う篆刻の可能性の追求を徹底せしめる原動力ともなっているのであろう。会場壁面には26点の額装作品。全て書と篆刻の融合作。つまり素材語句の書の中に同語句の篆刻作を入れ込む手法だ。かつて見ない斬新作の連続。そこから二作を掲載した。「覽古」は洋紙に濃墨で書かれている。印影は画仙紙。両者の組み合わせはもとより、李太白の語意の趣が書に篆刻に古拙の美を醸しだしている。「愼獨」は淡墨の書にはさまれた印影があまりにも鮮やか。濃い朱に白文の刀跡が冴え渡る。展示ケースには46顆の印材印影、収蔵文物の一部公開など、飽きることのない充実の展観。副題がまた遠藤彊そのものである。日展会員/毎日理事/創玄常任参与/扶桑印社代表  (篠原)

 

 

 

 

 

 

 


覽 古

愼 獨