佐野 則子 回顧展


■9月2日〜9日
■ 茨城県県南生涯学習センター展

 

 今年初めに大病を患い、生死をさまよった佐野さん。無事生還できたときこの回顧展を思い立った。古稀を越えた記念碑的な意図もある。出品作44点は1999年のクロッキーから最新作「筑波山」(写真)まで、ときどきの代表作が並ぶ。中でも佐野さん在住茨城県石岡市の幌獅子の舞いやその表情に材を得、独自のマチエルを模索しながら「権力」への問いかけをテーマにした一連の作、「邪気」シリーズ、「愛」(写真)「希望」「慈眼」などの80号クラスは特に注目された。
 「愛」の画材は赤と白の「とのこ(砥の粉)」を使用。子どもを抱える大人の強烈な表情には、種々の権力から子どもを守ろうとする大きなテーマが潜んでいるが、もちろんそこには未来ある子どもへの強い愛情も注ぎ込まれている。佐野さんは敢えて画材にとのこを選び、その柔らかい質感に愛情表現を託した。「筑波山」は東筑波八郷から見た朝焼けのシーンだ。面処理が新鮮で臨場感溢れる。
 日本選抜美術家協会委員
 石岡市美術協会会員          (篠原)

 

 

 

 

 

愛(2010年)

 

筑波山(2012年)