Les Grandes Couleurs
グランド・クルール展

山本  貞

「夏の道」

 それにしてもすごいラインアップだ。16人の出品作家のうち11人が日本芸術院会員、現役の洋画家(脇田和氏が旧ろう死去)では望み得る最高の豪華メンバーだ。
 この人たちにはいずれも長いキャリアがあり、若いときからの修業のトキを過ごしている。戦前・中にヨーロッパ美術に触れ、戦後間もなくしてアメリカ美術の波をかぶった人たちだ。美術といえども世間の価値感の影響なしではあり得ないし、また大きく美の様相の変貌した時代をくぐりぬけてみずからのスタイルをつくり上げてきた。
 展覧会名の「クルール」とはフランス語で「色彩」を意味する。線・フォルムや構成とともに色彩は制作の重要な要素であることは言うを俟たない。色彩はもっとも直截に観る者の心に訴えかけてくる。その色彩に画家それぞれの思想・心情が豊かに感じとれよう。「自分のカラー(クルール)を持つ」、画家にとって何よりも大きなウェートを持つことだろう。
 花の大沼映夫、奥谷博、笠井誠一、清原啓一、森田茂、脇田和、宮崎進、風景の絹谷幸二、中根寛、平松譲、山本貞、人物(女性像)の織田廣喜、芝田米三、島田章三、庄司栄吉、中山忠彦の各個性が際立つ。 (中)

 ■12月28日〜1月10日  ■ 島屋東京店6階美術画廊(後、横浜・名古屋・大阪・京都 巡回)