田中 登 米寿記念作品展


●2月10日〜15日
● 川西市立ギャラリーかわにし

 

 二元会委員の田中登さんが米寿を記念して作品展を開催した。1998年〜2016年までの27 点の出品で、二元展出品の80号以上の大作が19点も網羅されている。
 田中さんが本格的に絵画の世界に入ったのは定年後とお聞きしている。今回出品の「静物」を描いたのは、70歳の時である。対象を如何に描くかという真摯な描写が伝わりその人柄が窺えるが、しばらく目の前の写生描写から再構成した作品が続く。レース、ブリキ缶、と林檎の組み合わせなど、物の質感、存在感の試行を繰返している。紹介の「静物(アルコデラフロンテーラ)」は81歳の作。実に緻密で時間をかけた愛しさ溢れる完成度の高い作品となっている。その後は風景の中に、思いや憤りを埋め込むシュールな世界が現れる。「核」問題から広島の原爆ドーム、「淀川」の状況を描いた環境破壊、東日本大震災へのレクイエムと警鐘、米寿にして常に前向きな制作姿勢は敬服に値する。
 同会場の一角に併催された愛妻紀美子さんの「手芸展」も見応えあった。(松)

 

 

 

 

 

 

美しい河に  2012 年アクリル100F

静物(アルコデラフロンテーラ)  2009 年 アクリル100P