嶋津俊則ドローイング展

―パリを描く―

■10月14日〜27日
■大丸心斎橋店 南館
  8階特選ギャラリー

嶋津俊則

「バスティーユ」

 昨年12月のギャラリー・アングルワンでのドローイング展に引き続いての個展。油彩、水彩も数点あったが、メインはドライブラシ20数点による展観である。
 嶋津氏は二元会会長としてヨーロッパの古い聚落や石壁の家をテーマにした一連の大作シリーズで知られるが、営々と積み重ねられた人々の歴史の重みがもつ現存建造物、その時間空間を絵画的マッスとして自らの存在と重ね問い続ける。
 一方、度重なるヨーロッパへの取材旅行で必ず立ち寄る今のパリ風景も描き続けている。無彩色に沈む大作と好対照の色彩に富んだ風景である。作家としての色彩への開放がそこでなされている訳だが、デッサン力の並々ならぬ研鑽度も窺い知れる。そのデッサン力に支えられてのドライブラシによるドローイングである。筆に迷いがないから線が生きている。作品内に場の空気を内包する。今回は澄んだ石壁の白さが印象に残ったが、樹木の重なりを捉えた「バスティーユ」が意欲作であった。  (松)