嶋津俊則 個展
―マテーラ―陽と陰―(イタリア)


●11月11日〜16日
● ナルミヤ戎橋画廊展

 

 二元会名誉会長・嶋津俊則の3年振りの個展。前回は新設なったあべのハルカスでの色彩溢れるパリの街角・ヴェニスを中心としたカラリストの一面をみせた個展であったが、今回はイタリアのベジリカータ州にある世界遺産「マテーラ」に材をとっての作品展となった。マテーラはサッシと呼ばれる洞窟住居の街で、石灰岩のグラヴィナ渓谷の侵食層に古代から延々と住み継がれてきた歴史がある。20世紀に人口が急増して衛生面も劣悪となり、行政の強制退去(1万5千人)が実施され無人の廃墟と化した。が、150以上の石窟聖堂や3000程の洞窟住居、上水システム等が見直され1993年に世界遺産に登録された。それによって観光による人口の回帰が進んでいるが、無人地区が限定され当時の繁栄と堕落の名残が残る佇まいを見せている。画家はその登録前に取材で訪れ、その時の多くのスケッチから今回アクリルと布のコラージュで光と影のマテーラを追究した。布とアクリルの発色の差は歴然だが、主に影部に布を用いて階段と洞窟住居が織り成す郷愁感を描き出している。F20〜4号の約35点の出品。(松)  

 


 

マテーラ  F20