伊藤弘之 近作展


●3月17日〜4月15日
● 尼信会館 1F展示室


 独立美術協会会員・伊藤弘之氏の大規模近作展。昨年5月、兵庫県立美術館王子分館・原田の森ギャラリーで傘寿展を開催、1年を待たずの催しで、会場の尼信会館では4回目の個展となる。今回はおおよそ2008年近辺以降の作品に絞り、且つ約20年の間に試みた3つのシリーズ「さくら」「ヴェニス」「グランドキャニオン」の近作を主体とした展示となった。最新作は再チャレンジしたグランドキャニオンの夕景であったが、展示作から「さくら」と「ヴェニス」作品を挙げた。
 上右は「キルメスのカルーセル」2015年作。八重桜の咲き誇る下に止まったままの回転木馬。そこから一頭の馬が飛び立って宙空を駆けている。飛び出した木馬は作家自身なのである。ヴェニスの仮面カーニヴァルもある意味想像力を掻立てるモティーフ。背景の歴史の重みもさることながら、顔を隠し、暗い眼の表情に人間の本質を探る。作家の眺める歴史観が画面の奥に存在する。 (松)

 

 

さくらシリーズ(左 春翔 他)

ヴェニスシリーズ(右 マスカレード2012 他)