創業40年記念

伊 藤 弘 之

■ 2月7日〜13日
■ 銀座・あかね画廊

 

 あかね画廊が開廊40周年を迎えた、その記念企画の第一弾。画家自身は京都市立美大入学からちょうど50年、東京では三年ぶり、当画廊では20年前に東京初個展をしている。何かと因縁のある記念展となった。併せて小図録も発行。
 伊藤弘之は在学中に独立展に入選、以来独立展を主舞台に発表してきた。今やトレードマークとなったメリーゴーランド(もしくはカルーセル)は、図録を見ると一九六三年に既に登場する。勿論、静物、風景、人物と幅広い制作ではあるが、メリーゴーランドに常に戻り、発展するキー的モティフであったようだ。
 手法的にも多様に実験を繰り返し、様々に研究を深めてきたことが、今展の小規模な回顧的自選作品から伺われる。そうした中で一貫して追求してきたものが、現実とロマンの同時存在、共有共存といったものではなかったか。ロマンとは時に悠久の時間であり時に自然の神秘不思議、あるいは喜びや悲しみ、幻影、はかなさでもあろう。それは常に自分自身へ問いかける眼差しとなっているところに伊藤絵画の奥深さとなっていよう。
 一九三七年横浜市生。現在、西宮市在住。  (中)

 

 
逃げた木馬 (1979) 162.0×130.3cm