西 炎子展

 昨年のシロタ画廊では「ダイアローグ(対話)」から「パッション(熱情)」へと変化を遂げた西炎子を十二分に感じることができる充実ぶりであった。自らの精神世界の奥底にひそむもう1人の自分、それを西さんは「彼の君」と呼び、最初は静かな対話で作品制作が進行していたというが、対話を重ねれば重ねる程タッチは大胆となり、叩きつけられた絵具の重なりが強烈な輝きを放ち制御を拒否する。その個展から1年、今回は少し規模を縮小しての第17回個展となったが、ひとつの進化が窺えた。大半が荒々しい色面で構築されていた画面が、粗密間を強め、キャンバス地が見えるほどの空間部が現れた。それで質感対比がより明確になり、強さの波長がくっきりと観者に届くようになった。紹介の対作品だが、左は正に張り裂けそうな心臓、右は火炎の乱舞をイメージさせ、呼応する。     (松)


■ 6月5日〜11日 ■銀座 Oギャラリー


「 Passion ('06) 」