第53回新世紀展

 

 紀井  學

「孤高の朱」 

 

 土塀が見るも無残に崩壊し、その空隙から棲む人の

無い廃屋の内部が眺く。

これほどにも荒れはててしまうのかとの悲嘆の中に、

変わることなく烏瓜の赤い実が息づく。

大胆な視点と構成がその対比を高める。