第54回新世紀展

 

 紀井  學

「故里は永久にお待ちしています」 

 

 土壁が剥げて編み竹を露わにし、崩れ落ちた壁は太い柱をみせ、そこから奥が透視される。死んだ景に烏瓜が赤い光沢を放つ。克明な描写がリアリティと共に郷愁のタイムトラベルを生む。