月刊美術新聞「全日本美術」最終号(2026年7月20日号)より
朝陽書道会の第77回展。今回は副理事長までの作品を挙げるが、切れある作品で才の片鱗を見せる廣瀬光汰の名を記しておく。まだ20代前半だ。
さて高木聖鶴師の敬仰たんざく作品「春日野」にしばし足が止まる。殆どが、いのち毛の運筆ながら穂先の出入りと縦横の自在、潤部に対し消え入りそうな線がキリリと立っており、空間性も深い。今更に散らし書きの妙味を実感した。
森川星葉会長は単字と連字を小気味よく繋いで日扇聖人の御歌「おのづから」他1首、自風のスタイルを深める。伊之口鳳洲副会長は「古今和歌集仮名序」を絶妙な濃淡、大小、強弱の縦の揺れを基底にした流れで立体的空間を構築した。森上光月理事長「梅のうた」は、しっかり墨が立って骨格ある流れを構築している。藤川翠香理事長代行・事務局長「たかさごの」は展開部が少しバラけて弱くなった感。前3行上の余白を大きくとりたい。理事長代行・正田幸子は果敢に攻めたが、行間対立で視点が止まる。同・山本雅月は平安かなと強いインパクトある大字を2段対比した挑戦作だが、不思議な収まりがある。
続いて副理事長6名を。金高純香は大小リズムの視点欲しい。清水春蘭には空間のゆとりを。長谷川啓子は細字で魅せ、冨岡閑香は5、7行の渇筆が効いて、優雅な流れを生んだ。武藤光華は見せ所を明確に。確かな筆法が窺える森光翔も。(松)
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※ 本ページの記事・作品画像は、月刊美術新聞「全日本美術」最終号(2026年7月20日号)より転載しました。