月刊美術新聞「全日本美術」最終号(2026年7月20日号)より
日本の具象彫刻を牽引する日本藝術院会員・山本眞輔とアクリルガッシュの繊細で瑞々しい草花と、それに対比するモノトーンのペン画が組み込まれた広がる風景の静寂を描く洋画家・澄江夫人の二人展が名古屋・古川美術館で開催され盛会となった。美術館横の分館・爲三郎記念館では愛娘・眞希を加えた三人展も併催され、芸術家族の心地良い世界を垣間見せた。
筆者が、その美の系譜を初めて知ったのは2015年秋に名古屋日動画廊で開催された「それぞれの道」展。澄江さんは愛知教育大学を卒業し、イタリアへの美術留学、昭和63年に「日本の自然を描く展」で文部大臣奨励賞を受賞している。眞希さんは金沢美大を卒業、日本画の研鑽を重ねていた。2005年9月にご自宅でインタビューさせて頂いたことを思い出すが、山本家がもともと美の系譜であり祖父は書家、父は画家であった。自然の帰結だろう。
今展には山本眞輔さんの2016年頃の「心の旅」シリーズから黎明の祈り、人間讃歌、それは平和への願い、理想郷(まほろば)への想い、自分自身の心の情景へと繋がっていく。それは、澄江さんの心にも繋がり、描くことは「心の祈り」そのものとして伝播している。「人間讃歌」他、「心の旅—風に祈りて」は筆者の好きな角度でトリミングさせて頂いた。(松)
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