今月の課題 「一年間のこの1点」 編集主幹 松原 清
衆議院の突然の解散で政界は選挙モード一色となりつつある。驚くべきは、希望の党の台頭とからみ民進党が解党し合流したことで、つい先日の党首選挙で前原党首が誕生したばかり、結党の理念は何だったのか。痩せても枯れても一度政権を担った党なのである。国政では大きな失敗をしたが、その失敗を糧として毅然とやり直すべきではなかったのか。希望の党の有りようも大いに疑問符がつく。
また、この時期に消費税アップを叫ぶ安倍総理、国民生活の実情をまったく理解していない。国際情勢、特に日本近海の安全保障に鑑み自衛隊の憲法上の規定を明確化する大定義だけでいいではないか、今こそ国民にはっきりと問うべきであろう。いずれにせよ、10月22日の投票にはよく見定めなければなるまい。
さて、弊紙では先月号より特別企画として、「自選 一年間のこの1点」の紹介を始めた。多作な作家、逆に寡作な作家もいるが、作家として活動を続けているからには、自己目標の意味に於いて一年間という区切りはあると思う。所属の団体展に出品する作品に全精力をかけることは当然であるも、その大作のエスキース作品や他の取材作品でこれは巧くいったと思うこともしばしばあるのではないかと思われる。一年間(2016年8月〜2017年7月)に制作したそうした思い入れのある1点を自選していただき、作家の自選文と共にカラーでご紹介する企画である。もちろん団体展出品の大作(弊紙カラーで紹介された作品は除く)も受け付け、弊紙紹介と共にホームページにも無料紹介し、一年間の集大成として分野や団体とか一派に偏らない作家としての「この1点」の年毎の作品集を発行できれば面白いと考えている。
とっかかりとして弊紙をご購読いただいている先生方をメインとしてひとつの団体に偏らないよう配慮しながらご案内をしているが、もちろん書も含め、徐々に全体の枠を広げていく所存ですので宜しくご検討いただきたい。
ただ、弊紙も通常の取材記事をかかえており、今の動向を記していく重要性は堅持していきたいと思うので毎号決まったスペースを確保するのは困難と思える。紹介点数も上下するが、申し込み数次第では、一挙に2〜4ページを使ったご案内が出来るような割り振りも可能となる。作家がどんなことを考え、悩み、制作をしているのか。そうした制作の発意、モチベーションが感じられると一層有意義なご紹介となる。
暑かった夏もいつの間にか去り、一挙に秋が駆け足で到来した。きな臭いアジア情勢、慌ただしい日本の政情だが、我々の本分である芸術の秋を満喫したい。
全日本美術『今月の課題』の
1996~2005年を単行本に
全日本美術編集主幹 松原清 著
A5版 272頁 定価2000円