今月の課題 「断捨離と素人大工奮戦記」 編集主幹 松原 清
やっと、8月号の発行にこぎつけた。周知のとおり展覧会は殆どないが、次回は9月5日前後の発行に向け頑張ります。
5月号を発送したのは4月13日で、既に東京など7都府県に緊急事態宣言が出され後で、更に16日に全国に宣言が拡大された。5月25日の全国解除までの約40日に及ぶ外出自粛、経済的な影響は前代未聞の規模となるが、3月から始まった全国小中高の臨時休校要請と相まって、逆に家族が憩う空間が一時的ではあるが実現したともいえる。
筆者の家では子供達も結婚し夫婦ふたりきりだが、35年間、前ばかり向いて働いてきた仕事の歴史を振り返り、資料を整理する所謂「断捨離」をがんばってみようと決めた。それと平行して痛みの激しい家の補修を手がけることとした。
事務所の書庫は狭く、オーバーフローした過去の本類、図録は家に持ち帰り、家もいっぱいになれば田舎で保存してきたが、写真・はがき・手紙は殆ど家にあまり整理されずに乱積み状態である。記念品、買える範囲で求めた作品の数々も。いざ始めてみると、遅々として進まない。諸先生からの礼状、手紙、写真から当時の記憶が甦ってくる。そう!『この先生とは夜中迄飲んで、よく話した』『朝早くの電話で叱られた』『受賞を共に喜んだ』などなど…。断捨離は全美35年の歴史を改めて遡らせてくれる。これだけのことをやってきたのだ、という確かな証があった。正直、まだ整理の半ばにも到達していないが、丁寧にこの作業を進めていきたいと思っている。
築33年目になる家の痛みは相当なもの。外壁、屋根は一度塗り替え、張り替えたのだが、築3年目頃から雨漏りが発生。何回も業者に補修依頼をしたが、阪神・淡路大震災でよりひどくなった経緯がある。10数年前に、内壁を剥がして応急処置をしたのだが、今回は徹底的に補強を施し復旧させる決意で臨んだ。電動のこぎり、電動ドライバー/研磨器など道具も揃え、木材、トタン板、大量のペイント類、遮熱材、釘、ねじ類など必要小物も補充しながら30度近い気温の中、連日汗を流した。不思議なものでその作業が苦にならない。雨漏りの根本原因を探るため、ベランダの手すり、床もすべて塗り替え、他の外壁の痛み、玄関も補修した。その作業の中で漏れの原因が閃いたのだ。屋根のスレート瓦の反りだ!と。スレート瓦の最下部に、深くトタン板を差し込んで端を直角に曲げて横殴りの雨の侵入を防いだ。はしごから落ちそうなハプニングがあったが、今のところ梅雨での漏れは止まっている。結果は、台風の時に。
奮戦のおまけで庭の一角に紫蘇とレタス、トマトと茄、とうもろこしの苗を植えた。
全日本美術『今月の課題』の
1996~2005年を単行本に
全日本美術編集主幹 松原清 著
A5版 272頁 定価2000円