今月の課題 「自民党総裁選の行方」 編集主幹 松原 清
近年の夏はとめどなく暑い。今年も真夏日がどれだけ続くかとうんざりしていたが、中国から延びた低気圧の前線で梅雨への逆戻りかと思える程雨が続いた。一部九州他で被害も出たが、反面格別の熱暑を体感するまでには至らなかった。だが、単純に喜んではいられない。気候変動が異常すぎるように思える。
日本のテレビでは殆ど放映されていないが、中国湖北省の山峡ダムを中心とするダム群が、長期に降り続く豪雨で大変なことになっている。重慶など基幹都市を護るため、ダムを爆破して農地の方に水を流し、人や家畜、農作物に甚大な被害が出ているのだという。こうした被害は河南省や首都北京にまで及んでいると聞く。道路が川のようになり何千台もの車が流されている。稼働中の地下鉄の電車の中に水が流入して、人の肩まで浸かってしまっている動画もアップされていた。片田舎にある書画など文化遺産も流されているかもしれない。こうした実情を、ありのままに世界に発信しないので、世界から現地救援・支援に入ることさえ出来ない状態だ。もちろんここにもコロナ関連の問題、覇権主義問題が絡むから尚更のことである。また、今年もアフリカではバッタ被害が発生しているとのこと。いづれにせよ、近い将来に深刻な食料危機が中国を、そしてその危機が世界に広がるかもしれない。
一方、南シナ海と東シナ海をめぐる軍事衝突の危機も重大な案件だ。中国の台湾侵攻、尖閣諸島の領有権問題はもろに日本の主権に関わる。コロナワクチンを巡る不信感の払拭もされていない。そんな、どろどろの情勢の中、自民党の総裁選挙が行われる。圧倒的有利と目されていた菅首相が、エビデンスのない緊急事態宣言を繰り返すばかりでコロナ問題に先頭に立って果断な処置を行わなかったとみなされ、鬱憤のたまった国民からの不評を買い、一気に支持を下げ30%を大きく割り込んだことと、地盤である横浜市長選挙で敗北してしまったことが要因となり、この総裁のもとでは選挙を戦えないとの流れを挽回できず総裁選の立候補を断念したことで、俄然混迷の様相を呈して来た。
現在の候補予想は岸田文雄、河野太郎、高市早苗、野田聖子、石破茂だが、日本という国のアイデンティティーを守り、国際的視野にたてる人が絶対に必要ではなかろうか。国内利権、派閥に言及して憚らない人ではこの難局は乗り切れまい。何故立候補したかの事由、本音を発言の中から読み取りたいと思う。
残念ながら、筆者は自民党員でないので直接関与出来ないが、次の国会議員選挙で誰に投票するか、その前提の総裁選とみている。
全日本美術『今月の課題』の
1996~2005年を単行本に
全日本美術編集主幹 松原清 著
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