今月の課題 「日本の安全保障、その対応」 編集主幹 松原 清
立春から早2ヶ月が過ぎた。本来なら花見の絶好機なのだが、相変わらずのコロナ騒ぎと、ロシアのウクライナ侵攻のニュースが新聞とテレビを独占している。それにしても酷い世の中になった。すべてが権力とお金で動いている。本当に日本は大丈夫か! 有事の際にアメリカは守ってくれるのか! 政治家と専門有識者は言いっぱなしで一切責任を取らない。
2回ワクチン打てば大丈夫と誰か(アメリカの偉いさんと医学会)が言った。それを受けて日本の政治家と医学有識者もおうむ返しに同じことを繰り返した。最近、世界のコロナ対策はオープンで緩くなってきている。北欧、アメリカではノーマスクが当たり前になり、それに追随してヨーロッパでも規制が緩和してきている。日本ではマスク着用は必須で法規なき圧力がかけられ、国民自体が新聞・テレビの洗脳に嵌っている。筆者個人としても、もうマスク生活は辟易である。マスクをしていなかった頃の記憶も遠のきそうである。
最近、豪華客船のクルーズも再開されたとか。クルーと旅客全員ワクチン接種の証明書付きにもかかわらず、感染のクラスターが発生したと聞く。日本でも多発しているが、接種しても感染する(させる)という事実は何を物語っているのだろう。
一方、ロシアの侵攻は極めて危険な展開の様相を呈してきている。キエフ撤退の際のロシア軍の民間人虐殺の報道が世界を駆け巡っている。アメリカ、EU諸国はSWIFT からロシア特定銀行を除外、中央銀行の資産凍結、輸出入規制、最恵国待遇の取り消し・撤回、現政権と蜜月な関係の富豪の資産凍結を決めていたが、この報道が流れると更に強烈な追加制裁(アメリカ:ロシア最大の金融機関の全ての取引と新規投資の禁止、プーチンの娘とメドベージェフ、ラブロフの妻と娘のアメリカ国内の資産を凍結、イギリスも追随、スイスも制裁に加わり、ロシア寄りだったインドも非難声明を出した)を決めた。国連人権理事会もロシアの理事国資格停止の決議を4月8日採択した。
日本はどうか、ともかく反応が遅い。周りの動きを見据えてしか決められない。半導体など重要製品の輸出禁止、軍事用途230品目に民生品を加えた約300品目の輸出禁止。石油生産に伴う設備の輸出禁止を決めていたが、最恵国待遇撤回は主要国で一番最後の決定だった。追加措置に金融制裁、関税にかかる制裁に至っていない。ロシアからの天然ガス、石炭の輸入が止まると発電に大きな支障が出るからだが、英断すべき時機を逃せば自由主義国からのおおいなる反発も買う。核使用の恫喝を明言するロシア、ウクライナの危機に、日本の安保を思う。
全日本美術『今月の課題』の
1996~2005年を単行本に
全日本美術編集主幹 松原清 著
A5版 272頁 定価2000円