今月の課題 「『第2次高市内閣発足』に思う」 編集主幹 松原 清
隔月発行では追いつかないほど現代の歩みは速い。日本もそして世界も。
私の感覚が鈍くなったとは思いたくないが、若い頃のように短期間で原稿を書き上げるという集中力の持続は難しくなった。思いと言葉と文章が巧くフィットしないのだ。だから、期間を2倍にとって、取材があっても無理にでも机に向かいコツコツと一つでも書こうと逃げる心をしばりつけている。取材も関東と関西のテリトリーで出来るだけ仕分けしているが、それでも長期におつきあいいただいている会や先生への恩は大きく、日帰り強行となっても訪ねることをモットーとしている。2月24日、帝国ホテルでの楢崎華祥先生の「お別れの会」も私の心に刻むエポックとしてあり続けるひとつになろう。書人としての信念を全うされた生き様、皇太子妃時代から雅子皇后の書の御進講の大役を果たし、常に寄り添う敬愛の姿勢が思い出される。嘗ての中島司有先生と高木聖鶴先生にも重なる。弟子に対する厳しさと優しさも。
それにしても日本の政治が変りつつあり、この2ヶ月間が矢のように過ぎた。それもワクワク感を伴って。そう思ったのは私だけではあるまい。旧メディアは突然の解散と非難するが、これまでの信のないものと比べたら天と地だ。高市総理は本当に凄い。官僚の用意した原稿を棒読みせず、殆どカンペなしで演説する。答弁する。そこだけとっても、その裏にある努力が透けて見える。国を良くする、国民を富ませるの一念が滲んでいる。
こうした姿勢を敏感に察したのは若者であろう。これまでの政治家とは明らかに違うと!その結果は数字としてキッチリ表れた。旧メディアの反高市キャンペーンも逆に追い風となった。結果、衆議院465議席中、単独2/3以上となる316議席を獲得したのである。私自身も高市フィーバーでの圧勝ムードが若者層の投票行動を阻害しないかと危惧したが、覚醒は本物であった。
総理の『公約を暗唱できるほど自身で読み込むべき』との言葉は正に政治家たる信念の発露であり、真摯な政治姿勢にほかならない。しかし、喜んでばかりいられない。世界は日本一国の思惑どおりには動かないからだ。「日本列島を、強く豊かに」「挑戦しない国に未来はない」そのとおりである。海千山千の国際政治、自国ファーストは当然で賄賂が動く自分ファーストの騙しあいの中で、日本の『信用第一』をどう推し進めて行くか!やはり外交に確かな盾と鉾を持たなければならない。最先端技術の防衛装備、沖の鳥島のレアアース採掘の実現、都市鉱山開発、LNG船、核融合発電も視野に入れたい。
ふりかえり、美術界にも現首相を彷彿とさせるスーパーマンが現れないかと願っている。
全日本美術『今月の課題』の
1996~2005年を単行本に
全日本美術編集主幹 松原清 著
A5版 272頁 定価2000円