川尻 潤 作陶展 ■9月3日〜9日 ■横浜高島屋7階美術画廊
|
日本陶芸界で不動の地位を築いている川尻一寛氏の子息、川尻潤氏の個展を横浜で見る機会を得た。 今年の現代工芸展で初めてじっくりと拝見し、興味を覚えた作家であるが、父の白磁の展開とは全く異なるデコラティブで金、プラチナ、黒といった現代感覚の作品を指向しており、彩 配色を見ると琳派を意識したものと分かる。 川尻潤は1964年京都生れ。まだ40歳前だが、東京芸術大学デザイン博士課程修了という肩書きが示す通 り、斬新なデザイン感覚を陶芸の世界へ導入して新感覚の 陶芸を大胆にすすめようとしている。工芸展に出品しだしてまだ6年だが、正に新進気鋭の作家といえるだろう。 最近は、琳派が活躍した桃山時代に注目し、南蛮渡来の美意識を現代風に再現するという試みを始めている。今展にも南蛮文のワインクーラーをはじめ、上掲の「赤絵南蛮文水指」が出品されていた。また、新作の様々な陶屏(20数点)に足が止まった。「富士瑞雲大長皿」の延長上にあると思われる自由奔放なブルーを基調とした絵付けが新鮮である。陶額とか絵皿と一味ちがう趣がある。鉄絵の黒と金、プラチナが映える「鉄絵花器」も渋い仕上がりである。 今は自分の考えをどんどんぶつけていけば良いと思う。用の美と伝統の壁の向こうにある世界はあらゆる冒険と試行からしか生まれてこないから。 (松) |
赤絵南蛮文水指
|