第48回東方展より
花火と宇宙

高頭 信子

 

 横に連なる長大な画面。50号大4連は絵巻のように花火の生生流転が展開する。
 ライフワークの一つとして花火を描き続ける画家は長年に亘って各地に花火行脚を繰り返してきた、その集大成ともいうべき今作の「花火流転」である。
 各場面が独立しながら全体の連続性を持つ壮大な画面は右からまず舟形に燃え初める華やかな誕生にはじまり、大輪に咲く壮麗な開花となり、次の場面へは表情を違えたいくつもの花火の登場となり、最終場面で雲烟となって銀河を伴いながら宙空へと消えてゆく。まさに花火の生涯を見るようである。
 漆黒の闇と湖面を焼き尽くす花火は時に金鱗をまき散らし、舟や岩山を照り出し、針金月も浮き出しながら、その変幻する朱赤が一様でない、深々とした心情を喚起し、幾山河を歩いてきた心象とも重なって思いは深い。細かに見ればきめ細やかな配慮を施しながらスケール観を保ち、かつ奥行きの深い世界観、人生観がこめられている。(中野)

 

花火流転(4連)