第25回パリ国際サロン受賞記念

永名二委の世界

■5月16日〜21日 
■ にほんばし・ラセーヌ

 

 昨年の第25回パリ国際サロン個展部門における大賞およびロジェ・ブイヨ賞の受賞を記念しての個展。会場はやや手狭ではあったが、屏風の大作をはじめ大小様々な作品による充実した内容であった。なお前年にもフランス学士院芸術アカデミーよりアルフォンス・ドゥ・ヌーヴィル賞を得ており、永名の水墨作品の評価の高さはすでに十分に認知されている。
 永名の重要なモティフとして滝図がある。これまで多くの滝を描いてきたし、今回の受賞作品もモティフは滝である。がそれらの作品には一つも固有名詞がない。それはあくまで滝から喚起されるイメージの集約であり昇華された心象世界としての表現であるからだ。墨の魅力を知悉し鍛えた技術を豊かな感性にまかせるその作品はスケール大きくダイナミックでさえある。ことにも光への鋭敏な感覚は、濃墨の翳りにさえ光の深き内包を感じさせる。
 こうした永名の特質は、掲出の山岳の景においても何ら変ることのない魅力として指摘できよう。(中野)

 

早春の北アルプス連峰   
        130×162