毎日書道会顧問、日本書道院会長・中村雲龍主宰の第56回開玄社書展が開催された。当会も高年齢化の波は押し寄せているが、踏ん張って次代の作家の育成に尽力中だ。中村会長は、陶淵明の「飲酒 二十首幵びに序」の3句目から8句までを羊毛筆の特性を活かした用筆で書き上げた。内包する言葉への思いが馥郁とした墨線に宿る。酒と芸術の連関、その深淵を垣間みる。もう1点の詩文書「樂想」は自作文。「書は一過性の表現だが、そこに込められている想いは書き手の現在までの人生そのもの」との意。こうありたい。稲葉如龍は春を待つ思いを唐・陸キ七言絶句の「春日」に。この後「雨拂青青行處草」と続く。2行目「邊」の評価が分かれるところか。ウイットある詩文書作にも注目した。荻野靜雲は清・王漁洋の七言律詩を強弱の機微で視点を繋ぐ。二紙の呼応も心地良い。神作花紅は、三体詩より唐・李渉詩「題開聖寺」七言絶句の前2句を大きく大らかに捌いた。やや隷味ある線の存在が効果的。鄭道昭の石碑の臨を続けている駒崎流芳の今作は北魏(511)天柱山刻「東堪石室銘」。風化の雰囲気も欲しいか。平山美影の思いを伝える機微のセンス、進化が際立った「玄風」。細渕柳青は今回漢字作品を挙げた。王維詩五言絶句、ゆったりとして文字を繋ぐ機微、息遣いが感じられる。他、注目した5点を挙げた。佐々木溪月の文字群の響き。大川磯雲、中澤京苑、中林華映の詩文書の多様性。小川虹雲の羊毛用筆の格段の進化に注目した。(松)
毎日書道会顧問、日本書道院会長・中村雲龍主宰の第56回開玄社書展が開催された。当会も高年齢化の波は押し寄せているが、踏ん張って次代の作家の育成に尽力中だ。中村会長は、陶淵明の「飲酒 二十首幵びに序」の3句目から8句までを羊毛筆の特性を活かした用筆で書き上げた。内包する言葉への思いが馥郁とした墨線に宿る。酒と芸術の連関、その深淵を垣間みる。もう1点の詩文書「樂想」は自作文。「書は一過性の表現だが、そこに込められている想いは書き手の現在までの人生そのもの」との意。こうありたい。稲葉如龍は春を待つ思いを唐・陸キ七言絶句の「春日」に。この後「雨拂青青行處草」と続く。2行目「邊」の評価が分かれるところか。ウイットある詩文書作にも注目した。荻野靜雲は清・王漁洋の七言律詩を強弱の機微で視点を繋ぐ。二紙の呼応も心地良い。神作花紅は、三体詩より唐・李渉詩「題開聖寺」七言絶句の前2句を大きく大らかに捌いた。やや隷味ある線の存在が効果的。鄭道昭の石碑の臨を続けている駒崎流芳の今作は北魏(511)天柱山刻「東堪石室銘」。風化の雰囲気も欲しいか。平山美影の思いを伝える機微のセンス、進化が際立った「玄風」。細渕柳青は今回漢字作品を挙げた。王維詩五言絶句、ゆったりとして文字を繋ぐ機微、息遣いが感じられる。
他、注目した5点を挙げた。佐々木溪月の文字群の響き。大川磯雲、中澤京苑、中林華映の詩文書の多様性。小川虹雲の羊毛用筆の格段の進化に注目した。(松)