―和漢の調べ―● 5月31日~6月5日● 日本橋高島屋S.C.本館6階美術画廊「土橋靖子書展」の初日、体験した実際の作品からの「気」。そこには予想を超えた上質の、文字と言葉の融合の世界があった。悩んだ末に筆者の感覚で選んだ作品10点を挙げた。和漢の調和こそが「かな」のルーツ、時代を築いた漢に対する憧れと和の気質、その想いを選文とかなでの自身の表現に真摯に向かう長大な時間を感じた「和漢朗詠集抄」。実業家・俳人の菅裸馬の句を6曲半双で心地よく2文字毎で横に繋いだ「雲の秋」。言葉に触発されたとは作家の言。空海の書が根底にあったとも。既に一昨年9月に宮内庁経由で献上された「平成歌会始 上皇御製上皇后御歌献上作品」の下書。下書も成田山書道美術館に収められたが、制作にあたり五鳳翁に倣い変体仮名を避け、平仮名と行書体の堅持につとめたと聞く。正に現代のかな、言葉を重んじることで新たなちらしが自然に生まれることを実感したという。王羲之(空海も)を意識した万葉集「春霞」。また超大字かなの「象山」の力強いリズム。「風姿花伝」は、和の手紙で漢字かな調和の原点、感情と言葉と書が融合する。正目の木額に収まった「うりはめば」、立体的空間を感じる中、佐理と光悦の味わいが浮かぶ。かなの要素、太細・単字・たたみ込み・潤渇を考慮した「庭草」。美彩に浮かぶ「朝ぼらけ」。「大和の国」の恵み幸を。(松)
―和漢の調べ―
● 5月31日~6月5日
● 日本橋高島屋S.C.本館6階美術画廊
「土橋靖子書展」の初日、体験した実際の作品からの「気」。そこには予想を超えた上質の、文字と言葉の融合の世界があった。悩んだ末に筆者の感覚で選んだ作品10点を挙げた。
和漢の調和こそが「かな」のルーツ、時代を築いた漢に対する憧れと和の気質、その想いを選文とかなでの自身の表現に真摯に向かう長大な時間を感じた「和漢朗詠集抄」。実業家・俳人の菅裸馬の句を6曲半双で心地よく2文字毎で横に繋いだ「雲の秋」。言葉に触発されたとは作家の言。空海の書が根底にあったとも。既に一昨年9月に宮内庁経由で献上された「平成歌会始 上皇御製上皇后御歌献上作品」の下書。下書も成田山書道美術館に収められたが、制作にあたり五鳳翁に倣い変体仮名を避け、平仮名と行書体の堅持につとめたと聞く。正に現代のかな、言葉を重んじることで新たなちらしが自然に生まれることを実感したという。王羲之(空海も)を意識した万葉集「春霞」。また超大字かなの「象山」の力強いリズム。「風姿花伝」は、和の手紙で漢字かな調和の原点、感情と言葉と書が融合する。正目の木額に収まった「うりはめば」、立体的空間を感じる中、佐理と光悦の味わいが浮かぶ。かなの要素、太細・単字・たたみ込み・潤渇を考慮した「庭草」。美彩に浮かぶ「朝ぼらけ」。「大和の国」の恵み幸を。(松)