笹波の伝統と現代空間への挑戦 継承と展開● 3月19日~24日● 東京銀座画廊・美術館7F日展会員・笹波会理事長の田頭一舟氏が、大作を中心とした書作展を開催した。東京では初めての個展と聞くが、2011年日展会員就任という書家人生の大きな節目を画する自選展ともいえる。本来なら、就任年か次年に就任記念展を開催する作家が多い。しかし、2010年の日展新審査員就任の年の8月、師であり、義父である桑田三舟氏が逝去されている。2年半の喪を自らに課して今回の書作展の開催に至ったと私的には理解している。さて、今展の構成を見ると、小字から大字の大作15点をメインに小品約20点がコーナーに展示されている。大作のバリエーションに師風を強く感じさせないというか、書き手のこだわり、意志が内包されており、むしろ小品に三舟師の風趣をみることができた。一時期、一舟氏は超大字ばかりの作品を書していた時期があったが、ここ近年小字・細字の作品が続いている。そうした納得のいくまでの試行が作域を自然に膨らませていく。大作より3点をピックアップしたが、鶯茶の紙に西行の歌13首を書した小字作品の凛とした趣。直線的な行に微かなゆらぎ、きっちり墨がたっている。大中臣能宣の歌を濃墨と渇筆の呼応豊かに情感を出した「ちとせまで」は新境地の作。そして松根東洋城の壮大な句を、表現停止の手法が活きた大字「桜」。充実の作品展、今後に期待がかかる。(松)
笹波の伝統と現代空間への挑戦 継承と展開
● 3月19日~24日
● 東京銀座画廊・美術館7F
日展会員・笹波会理事長の田頭一舟氏が、大作を中心とした書作展を開催した。
東京では初めての個展と聞くが、2011年日展会員就任という書家人生の大きな節目を画する自選展ともいえる。本来なら、就任年か次年に就任記念展を開催する作家が多い。しかし、2010年の日展新審査員就任の年の8月、師であり、義父である桑田三舟氏が逝去されている。2年半の喪を自らに課して今回の書作展の開催に至ったと私的には理解している。
さて、今展の構成を見ると、小字から大字の大作15点をメインに小品約20点がコーナーに展示されている。大作のバリエーションに師風を強く感じさせないというか、書き手のこだわり、意志が内包されており、むしろ小品に三舟師の風趣をみることができた。
一時期、一舟氏は超大字ばかりの作品を書していた時期があったが、ここ近年小字・細字の作品が続いている。そうした納得のいくまでの試行が作域を自然に膨らませていく。
大作より3点をピックアップしたが、鶯茶の紙に西行の歌13首を書した小字作品の凛とした趣。直線的な行に微かなゆらぎ、きっちり墨がたっている。大中臣能宣の歌を濃墨と渇筆の呼応豊かに情感を出した「ちとせまで」は新境地の作。そして松根東洋城の壮大な句を、表現停止の手法が活きた大字「桜」。充実の作品展、今後に期待がかかる。(松)