全日本美術 ALL JAPAN ARTS
Menu
Work No.49

墨 飮

高木聖雨書展(2019.08)
画像をクリックすると拡大表示されます

 日展理事・謙慎書道会理事長の高木聖雨氏が、日本橋高島屋本店において、6月12日から18日まで古稀記念の書展を開催した。
 今展のコンセプトとして、青山杉雨師の追求された「一作一面貌」をめざし、多くの書体と書風、装丁で部屋掛けの書、日常の書として楽しめるよう趣向を凝らしたとある。そうした新作を中心とする約60点が並んだ。その中、「墨飮」を巻頭に挙げる。これは、呉昌碩も刻した「且飮墨瀋一升」で、酒は文字を生まないが、擦った墨は文字になるという喩え。作品右下の遊印が効いている。正にこの作品は、古稀を迎えて新たな課題に挑もうとする聖雨氏の決意そのものである。60余点のうち注目作8点を9面に紹介しているので作品評はそちらに記載したい。
 というのも、作品にもまして聖雨氏のこの数年にわたる超多忙ぶりにもふれておきたいからだ。先ず東の書壇の要である謙慎書道会の理事長、また同謙慎・青山門の寄鶴文者理事長として、会の骨格を保ちながら維持発展させる役割を担い、日展理事として日展に於ける参加書壇、書会などを含めた書展の在り方を常に思い、読売書法会常任総務・執行役員副代表として読売書法展の企画運営にも関わる。自社中の郁文社の書人育成ばかりでなく、大東文化大学の書道学科教授として教育的立場も加わり、全国的な書人育成の責任もまた課せられているのである。
 一方、全国書美術振興会の理事長に就いてからのユネスコへの日本の書道文化登録運動では八面六臂の行動力を発揮、改元日の5月1日、東京ドーム「巨人×中日戦」の始球式前に、4万6千人の観客を前にして3.2×6mの和紙に「令和」の揮毫を行なった。また、太宰府天満宮宝物殿展示室で、「受け継がれる名筆-青山杉雨・高木聖鶴・高木聖雨書展」が4月21日から9月29日まで開催中。(松)

墨 飮 35.0×96.0cm

← 高木 聖雨の作品一覧へ戻る
墨 飮 — 高木聖雨