貴方へおくる応援歌 2

第33回 田中穂積 作品展(書画・陶他)

■5月24日〜29日  ■ ギャラリー アライ(西宮市甲子園)

「みづからに執せば…(窪田空穂)」

 田中穂積氏の毎年春の連続個展も今年で第33回を数えた。これまで幾度となく記してきたが、頚椎損傷で利き腕の右手が動かなくなり、筆を左に持ち替えての書作となったのはもう20年程前のこと。かつての右での作品を凌駕する味わいのある書で多くのファンを魅了してきているが、何より人生哲学を書と言葉(文章、句、歌)に凝縮した作品となっており、見て読んで、その本意を思い起こさせる力を内包している。また、同時に陶芸作品はウイットに富んだアイデアと絵付けの書が加わり、近年始めた絵画も独自性を持ち、書作品との心地よい調和を保った会場となっている。
 今回は昨年に引き続いての「貴方へおくる応援歌2」。今回が最後になるかもしれないという一期一会の気持ちで人としての生き方を問うダンマ・パダの「諸法非我」をはじめとした書20余点。「みづからに」の意図するように折角授かった人生、坐るも歩むも堂々と朗々とありたいと思う。 (松)